ベンチャー・スタートアップでのマーケティングニーズ
先日某ベンチャー・スタートアップの社長を人の繋がりで紹介してもらった。世界でも名だたるトップティアのMBAを卒業された後、日本で起業し、有り余るバイタリティは正に起業家という感じがした。
メディアでも取り上げられていたことから、規模に関してはある程度の人数がいるのものだと想像していたが、創業からエンジニアとの2人で事業を拡大しており、商品関連以外の全てはその社長が担当しているとのことだった。
(営業、契約、製品のクレーム、発注まで全てを一人で担当していると聞き驚愕。仕事内容を全てを知っているわけではないが、尋常ではない仕事量だということは容易に想像できる。)
事業拡大にあたりマーケティング戦略の必要性を感じたらしく、MBAに留学している後輩(僕の友人)に相談したところ、理系の大学院卒で技術にも理解があり、現在マーケティングを担当している僕を紹介したというわけだ。
ベンチャー・スタートアップのマーケティングとは売り上げに関わる全て
現在は電話ベースで定期的に相談にのっているのだが、あらゆる相談内容が出てきた。ざっとあげただけでも、
- 「この商品ってどれくらいの量が売れるのかな。来月出荷の生産量が間に合うかな。」
- 「値段はいくらくらいで出すのがいいんだろうか?」
- 「Google のAdと今月のECサイトの売り上げなんだけど」
- 「今度メディアに出すプレスリリースの内容に関して。」
- 「今商品の配荷先で商談しているんだけど、どの店に優先的に置くべきかな」
- 「プロモーションビデオ作ろうと思うんだけど、どのようなストーリーがいいか」
- 「新商品のアンケート作成の質問票はどう聞けばいいか。」
- 「新商品の投資家向けの事業企画のプレゼンなんだけど」
と大企業ではマーケティング部、デジタル推進、広報、営業、生産、財務にリサーチエージェンシー、広告代理店などあらゆる部署が担当する領域が出てくる出てくる。パッと大企業における担当部署を分類してみると
- 「この商品ってどれくらいの量が売れるのかな。来月出荷の生産量が間に合うかな。」→生産・財務
- 「値段はいくらくらいで出すのがいいんだろうか?」→財務
- 「Google のAdと今月のECサイトの売り上げなんだけど」→デジタル部・デジタルエージェンシー
- 「今度メディアに出すプレスリリースの内容に関して。」→広報
- 「今商品の配荷先で商談しているんだけど、どの店に優先的に置くべきかな」→営業
- 「プロモーションビデオ作ろうと思うんだけど、どのようなストーリーがいいか」→広告代理店
- 「新商品のアンケート作成の質問票はどう聞けばいいか。」→リサーチエージェンシー
- 「新商品の投資家向けの事業企画のプレゼンなんだけど」→経営企画
幸い?にも理系にありがちなオタク気質の僕は、自分自身で売り上げ予測の解析モデルを作ったり、アンケート作成の質問票、メディアリリースなどを事細かにエージェンシーや他部署を質問攻めしていたこともあり、基本的な分野であれば自分で手を動かして作ることもできたが、これには大変感銘を受けた。
ベンチャー・スタートアップに必要なマーケティングとは、いわゆる売り上げに関わる全てだ。そこに広報も、営業も、クリエイティブ、生産も財務すらも関係ない。まさに総合的な戦闘力が求められる。
マーケティング職というと日本においてはかなり広義な意味になっており、担当領域や部署が分散されている。その結果、「デジタルマーケティングはできるがアイディアを作ったことがない」「広報はできるが売り上げ利益は関心がない」といった専門領域が異なった人材がマーケティング職としてマーケットに溢れている。
一方で欧米ではマーケティング部は経営機能の中枢と位置付けられている事が多く、マーケティング部出身の経営者が数多く活躍している。
日本におけるマーケティング分野の人材がもっと活躍してほしいと思っており、その為には専門分野以外のレベルをもっともっと貪欲に身につける必要がある。
腕に自信のある猛者はベンチャー・スタートアップの世界に飛び込んでいくのは有りかもしれない。
初期のベンチャー・スタートアップでのマーケティング関連の仕事に関してはこちらも参照ください。
参考 ベンチャー企業でのマーケティング-方法と投資フェーズまで
大企業でのマーケティングでのスキル、転職、求人に関してはこちらも。
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