マーケティング事例

ベンチャー企業でのマーケティング-方法と投資フェーズまで

知人の相談でベンチャー企業でのマーケティングに関して、どの段階にいるかによって全く異なるが、今回はシードエリア~シリーズAにおけるマーケティングの相談であった。最初の相談内容はいわゆるマーケティングというよりは、経営戦略、ファイナンスの分野に近くなったがこれも立派なマーケティング。投資家への提案資料作りに関してですが。

1.誰が買うのか、その人はどの位存在するのか?

プロダクトのステージにおいては、商品のニーズを絞り込み商品を作りこんでいくことが多い。その際に、「”~~な人”が買うよなー」といった漠然としたペルソナから、その対象者が世の中にどれ位いるのかを具体的なXX万人といった数字に落とし込んでいく。外資系の就職活動におけるフェルミ推定といった考え方と同じだが、ビジネスともなるとその制度や根拠は根拠ある外部データや推定を求められるため、このワークでは常に”参照資料XXX”といった資料のデータ元を記載し、エクセルに必要情報や計算式をガシガシと埋めていく。

2.どれだけ売れるのか?

1.のステップ後に、絞り込んだ潜在顧客がどの位買っていくのかといった売り上げ予測につなげていく。この分野ファイナンスの分野とも似ているが、マーケティングの視点ではあくまで顧客ベースの売り上げ予測を使用する。ベンチャーにおいては、まったく市場が出来上がっていない場合が多く、ここでは 1) Top down, 2) Bottom up, 3) Bench mark といっていくつかの手法を組み合わせて試行錯誤しながら数字を作りこんでいく。この段階において、潜在的な数字をみながらマーケティング、販売戦略なども同時に考えていく。

ここで有益だったりするのがBench mark。 似たような状況にあるものを参照に潜在市場とそのフェーズを予想していく。海外市場を参考にするとかなりデータやスタディがあることが多く、英語資料や企業決算資料などを読み込んでいくと有益な情報が得られることが多い。とくにTech関連はアメリカが大抵進んでいる場合が多く、IoTの商品の世帯浸透率、各段階にかかった時間、価格などの有益な情報がインターネットで少々検索するだけで出てくることが多い。

合わせて、最終的には売り上げ数とそれに関連する情報を作りこんでいく。後述する投資家へのP/Lに関連して、月ごとの売り上げ予測を将来5年間見せたりとけっこうな分量になることもしばしば。

a) Trial rate 世帯浸透率 (%)  b) Unit / purchase 1回あたりの購入個数 (unit)  c)  (商品の必要に応じて) Repeat rate リピート率(%) d) Frequency 年間購入数 (times / year) e) Price / unit 商品単価

といったところは基本的な情報として、これをエクセルに数式とともに組み込んでいくいきます。その他、販売チャネルがある際は、店舗数、店舗あたりの売り上げなどといったところもフルに活用。(この販売店舗数の増加はビジネス上大きな要因ですからね。)

3.(1.2 を踏まえたうえでの)投資家、営業先への資料作り

この3の段階、投資家へのプレゼンにおいては今までのピッチとは異なるステージになってくる。今までは潜在的な市場規模、例えば、世の中には食品の市場がXX億円あります。などである程度よかったが、この投資家が絡んでくるとかなり細かい話になってくる。(もちろん投資家の種類にもよる) プレゼン相手が投資会社になってくると、実は投資担当者が社内で上のポジションの意思決定者を説得するために詳細なロジックやP/Lなどを求めてくることが多くなってくることがある。

そのためこの段階で、先ほどの月ごとの売り上げシートを見せたり、将来的な市場規模の根拠を説明したり、今後のフェーズ毎の販売戦略、マーケティング戦略とGrowthを話したりと、ほとんど経営戦略とエリアが混ざってきますね。厳密にはここは財務担当者と緊密に連絡取ったりしながら進めていくことが多いです。

と、ざっくりと振り返りましたがこの投資フェーズにおける一連の作業、1ヶ月くらい試行錯誤しながら最終的には投資家へのプレゼンまで。今回の件は、IoT関連のベンチャーでしたが、スピード感がやはり早いです。この資料作りをしていく中でも状況や売り上げがものすごい勢いで変わっていくのもベンチャーならでは。普段大企業で扱う金額と同様の金額でも、場合によっては数億円の投資が少人数での会社に入り、その後人を雇い、商品をがしがしと生産、販売していく、売り上げの伸び率で言えば大企業で見たことのない数字と期間が出てきます。

また、別途ベンチャー企業のマーケティングに関してはご相談や要望があれば扱って行きます。エリアとしては、効果的なPR、ホームページ作成など。

こちらも参照に

https://kogito-marketing.com/venture-marketing-skill/


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