マーケティング事例

ナイキを作った伝説的なブランディング・マーケティング6選

ナイキのブランドを作った伝説的なCM/キャンペーン6選

1972年にアメリカ、オレゴン州でフィルナイトによって創業されたナイキは革新的な靴だけではなく、優れたマーケティング戦略によって瞬く間に世界1位へと駆け上がっていきました。そこに込められたブランドアイデンティティはナイキのブランドを使用する人々に、単なる道具としてではない特別な意味を持たせてきました。

この特別な意味を持たせることこそブランディングであり、ナイキが世界で唯一無二のブランドとなったいくつかのCMの例を取り上げます。(動画サイトの再生数や過去のニュースのとりあげ具合などで概ね判断していますが、これは私の完全なる主観に基づいているものです。)

 

 1. Just Do It – 1988

全てはここから始まった

ナイキの世界的に有名なフレーズである Just do itが登場したのが1988年に放映された「Spot」から。80歳のおじいさん Walt Stack が毎朝17マイルの距離をジョギングをする光景に最後に入った Just do it のフレーズ。シンプル故にストレートにメッセージが届くCM。

 

2. Guerrilla Tennis - 1995

Nike人気を押し上げた二人のヒーローの共演

アメリカで不動の人気を誇る2人の名テニスプレーヤー、ピートサンプラスとアンドレアガシの共演。ニューヨークのストリートをジャックしたゲリラテニスでは、私服で観客の声援を受けながら疾走感のあるCut割りがお見事。

 

3. Failure - 1997

Just do it をアスリートの視点から

こちらは試合後、マイケルジョーダンが歩きながら、彼がミスしたシュート、失ったゲームを語っていく。そして最後に「だから俺は成功したんだ」と締めくくる。Just do it のメッセージの意味を残しながら、クールに仕上げたCM。

 

4. Find your Greatness – 2012

Nikeの中で最も静かに響くキャンペーン

数々のアスリートとのコラボレーションを行なったNikeが非アスリートの挑戦を通し、全ての人々の内にある挑戦を描いたシリーズ。シンプルながら、見終わった後に多くのものを人々に残す名作です。

 

5. Winner stays - 2014

圧倒的な映像美が際立つCM

2014年FIFAワールドカップの際に製作された、各国のスタープレーヤーが集結したまさにグローバルスポーツメーカーたる豪華CM。クリスチアーノロナウド、メッシ、ネイマール、イブラヒモビッチなどなど。彼らの豪華絢爛なプレーを見るだけでも魅了されるCMですが、一応企業CMという事で、最後のシーンにアマチュアであるプレーヤーがペナルティーキックを蹴るシーンで終わっています。 Risk everything ということでプレッシャーを打ち勝ったものに成功が待ち受けているというメッセージ。(アイディアというより、これは完全に映像美の凄さが勝るCMですね)

 

6. Dream Crazy -2018

 

社会問題に鋭く切りこみアメリカ中を巻き込んだ問題作

 

Believe in something. Even if it means sacrificing everything. (信じること。例えそれが全てを犠牲になったとしても)

 

ナイキがブランドを象徴するキャッチフレーズ「Just do it」の30周年を記念して2018年に開始したキャンペーン。

当時、アメリカにて国歌斉唱を拒否したColin Kaepernick(コリン・キャパニック)を起用し大きな話題を呼んだ作品。この起用の是非を巡ってはアメリカで大々的なナイキのボイコット運動が起こった一方で、人種差別に対して敏感なミレニアム世代では大きな反響を及ぼし、ナイキの株を購入するミレニアル世代に人気の株取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」では報道後には45%増えたとも。(2018年9月)

結果としては、肯定派が反対派を大きく上回り47億円を超える秀逸なキャンペーン効果を獲得し、2018年度にはアメリカで最も権威ある広告マーケティング誌『Ad Age』による“Marketer of the Year(最優秀マーケティング賞)”の選出。

 

ナイキのCM まとめ

総じてその分野のトップ選手を起用したCMで見ているものを楽しませます。また、単純にアスリートの起用だけではなく、映像美、カット、コマ割りといったVideo作りのクオリティの高さにも着目すべきでしょう。近年ではDream Crazyに代表される様な社会の敏感な流れや感情を的確に捉えたキャンペーンにより、常に革新を持つブランドの価値を高ています。

その他、ブランディングについても別記事で紹介してますので一読下さいませ。

 

ブランディング基礎に関してはこちら

参考【ブランディングとは】自社ブランド理解の方法と事例

ブランドビジョンについての記事はこちら

参考アシックスブランド秘話 - ブランドにビジョンはあるか?


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