マーケティング事例

強いブランドロゴの効果とは-MIT Sloanによるブランディング効果論考と事例

ブランディング、ブランドロゴの意味とは

ブランディングとは

マーケティング戦略の手法の一つで、顧客からの自社への商品・サービスのイメージを作る、育てる、高めていくことで自社の商品・サービス(ブランド)の信頼・競合優位性や便益を顧客へ認知させていくこと。ブランディング、ブランディング戦略とも呼ばれます

ブランディングの手法などはこちらで解説しています。

参考 【ブランディングとは】自社ブランド理解の方法と事例

MITによるブランドロゴレポートが面白くまとまっていたので、論文の内容を例を入れながら紹介します。(原文記事に関してはこちらを参照)

The Power of a Good Logo

記事の中でには主に以下の3点に関して言及されています

  1. ブランドロゴが認知以外に伝えることができることは何か?またどうやってユーザーのブランドへの信頼や忠誠ひいては会社のパフォーマンスに影響するのか?
  2. ブランドロゴは会社の成長を促進するか?特にブランドの拡張においてブランドロゴの果たす役割は意味があるか?
  3. どのタイプのブランドロゴが最も効果的か?

MIT Sloan Management review “The power of a Good Logo” より

MITの論文でのブランドロゴでの効果と事例

最初に述べた論文内でのブランドロゴに関する研究結果について以下ポイントをまとめ検討していきます。論文内では多様な事例も用いられてましたので、以下同時に紹介していきます。

  1. 強いブランドロゴはコアバリューや理念を伝えることができる
  2. ロゴの種類に関して
  3. ヴィジュアルロゴ vs テキストロゴはどちらがよいか

強いブランドロゴはコアバリューや理念を伝えることができる

そもそもロゴとは、特定の商品認知を助ける分類付けのようなものですが、上記のブランディングにより、認知にとどまらず特定の便益を与えるようになったものが良いブランドロゴです。とはいっても伝わりにくため事例を挙げてみていきましょう。

認知以外の便益を伝える事例

こちら論文中で実際にロゴの例としてあげられた3つのブランドロゴ。パッと見て、実際にどのようなイメージ、気持ちが浮かんだでしょうか?ちなみに論文中では以下のロゴに対してのイメージ

ナイキ(流線系) 活動的・流れるような・活力・行動する力(Activity, flow and energy)

パタゴニア(山と青空) たくましさ・自由奔放・環境への繋がり

アップル (かじられたリンゴ)ユニーク・他のハイテク企業とは異なる・独特なやり方をする

強いブランドロゴになると言葉やストーリーにせずとも、ブランドロゴを見せることによってユーザーに企業・ブランドの便益やストーリーを伝える力があります。

これって実は凄いことで、書かなくてもユーザーに伝わる、ある意味究極のコミュニケーションの形で、それは物凄い資産価値ですよね。

ブランドロゴの3つのタイプとは

ロゴには大きく分けて3つのタイプがあります。こうみるとブランドロゴといった曖昧なものでも、ある程度の分類を持って見ること、考えることができます。MITの”The power of good logo”で挙げられていた例としては以下のような例があります。

ヴィジュアル型

デザインのみのシンプルなタイプ。アップルのロゴはこのタイプに当たりますね。

企業・ブランドネーム型

企業名、ブランドネームをロゴにしたもの。例えばIBM、ゴールドマンサックスなど

ハイブリット型

最後がヴィジュアルとブランド名を合わせたもの。先述のナイキとかはここに分類されます。

ヴィジュアルロゴ vs テキストロゴはどちらがよいか

MITの論文ではヴィジュアルシンボルを使用するケースの方が単純なブランドネームを使用するよりも効果的であったと結論づけています。以下の2つが理由になってくるのですが、日本人連想しやすいように、論文中では取り上げていないブランドロゴの具体的な例をいくつか載せてみました。

ヴィジュアルの方が簡単に認識されやすい

例えばトヨタもこのヴィジュアルロゴとテキストロゴを併用しているタイプ。車のフロントを見れば、どのブランドが一目でわかりますよね? 人は文字を読み、理解認識するより、一つの慣れ親しんだヴィジュアルを見たほうが既存の記憶と一致して認識しやすい。本来、脳は

 

こちらはTOYOTAのブランドロゴ

プリウスの正面画像。中央にあるブランドロゴがどのメーカーのものか直ぐに判断する助けになっています

ビジュアルとワードを取り替えた例

どうでしょう?脳がブランドを勘違いしていませんか?脳はビジュアル・色・デザインを頼りにしているのが理解する一つの例として。

NikonとCanonの例

有名ブランドロゴの交換の例はこちらから参照

こちらからも参照

ヴィジュアルは言語の違いに影響されない

大抵の企業は英語での表記としていますが、これが中国語やドイツ語、フランス語など自国では当たり前でも、他国からは異なる言語だった際にはパッと見てもわかりません。

例えばこちらは中国のアリババのブランドロゴ。世界の時価総額ランキングで10位以内に入る超巨大な企業ですが、ロゴ下部にある中国語だけを出されたらどうでしょうか。言語がわからない立場からすると記憶に残るのは非常に困難。(その為に非中国語圏の立場からすると、英語に加えオレンジの色と上部にあるヴィジュアルが記憶に残る助けをしています)

言われてみれば当たり前のように感じるかもしれませんが、実際には何も意識せずに母国語だけの文字を並べたロゴを作ってしまったりする例が多々見受けられます。

アリババのブランドロゴ

強いブランドロゴを作るために

ブランディングを行う上での最も重要な資産となるブランドロゴ。有効に活用することで長期的にユーザーからの認知を超えた、ブランドへの信頼を築くことができます。その為には、ブランドとしてどう存在したいかを自分自身に問いかけることが必要とされます。

こちら以前にとりあげたブランディング、ブランドロゴに関する事例も参照下さい。

ブランド存在の意義のストーリー

https://kogito-marketing.com/brand-vision/

アップルのブランドロゴに秘められた意味など

https://kogito-marketing.com/apple-brand-logo/


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