企業、製品がブランディングをする上で欠かせないブランドロゴ。多くを語れないロゴという制約の中で、ブランドを消費者に伝えていく役目を果たす非常に大事な役割を担っています。
優れたブランドはロゴが広く認知されており、消費者がブランドを認識し、約束してくれている価値を期待しその対価となるお金を払う。
強力なブランドロゴはブランドにとって最も大切な資源であり、ナイキ、コカコーラ、マクドナルドなど、これらを上げた時に、何となく頭に入ってきますよね?
今回はそんなブランドロゴのお話しをAppleのストーリーを例にブランドロゴの3つの法則を取り上げます。
Appleのリンゴが欠けている本当の理由
アップルのロゴをデザインした、Rob Janoff (ロブ・ヤノフ) 本人によると、当初は欠けていないリンゴをロゴとしてデザインしたが、実際にデザインしてみると他のフルーツと混同してしまうため、一目でリンゴと認識されるよう「かじられた」デザインを意図的に施したとのこと。
この人が一目で認識できるかというのはブランドロゴのデザインにおいて非常に重要な要素。この一手間、正に職人魂を感じますね。
こちらは英語のサイトになりますが、Rob Janoff (ロブ・ヤノフ) のApple logo誕生秘話のストーリーを参照。 https://robjanoff.com/applelogo/
40年間変らないブランドロゴ
こちらはAppleのブランドロゴの推移。1977年のリンゴが欠けたロゴから現在まで色の変化はあれど、一貫して同じ形のロゴが使用されています。
最初のロゴはニュートンの万有引力をモチーフとしたロゴ。これが複雑と考えた当時のスティーブ・ジョブスがRob Janoff (ロブ・ヤノフ)に依頼し、この伝説的なリンゴのブランドロゴが生まれました。
当時のアップルはSteve Jobs, Steve Wozniak and Mike Markkulaの3人がガレージでアップルを立ち上げた初期の初期。彼の提案した、かじられたレインボー柄のリンゴのロゴはその後21年間、Appleの成長と共に人々に広く愛されていくようになります。
最初のブランドロゴの提案を見てSteve Jobsは多くを語らず、ロゴを決定したとのこと。
参照元 こちらは2016年9月に行なわれたRob Janoff へのインタビュー記事。Appleロゴに関する秘話が多く語られており素晴らしい記事。
カラフルなAppleのリンゴの理由
Rob Janoff (ロブ・ヤノフ)による特徴的なデザインの一つにカラフルなストライプのデザインがありますが、これにも意図があるとのこと。
実はこの当時に世に出したAppleⅡは大衆に向けて世界で初めて製作されたコンピューターでした。
それまで専門家のみが使用するコンピューターを一般家庭用に広めることに成功した革新的な商品で、製品名もホームコンピューターと命名し大成功を収めます。(この後にipod,iPhone, と次々に革新的な商品を出したSteve Jobs。 一度成功するとその後のInnovation が難しくなる中で、世の中を大きく変えてきた彼の偉大さが改めて分かりますね。)
世界で初めて、個人向けに完成品として大量生産・大量販売された、パーソナルコンピュータ(の直接の先祖と言えるコンピュータ)である。Apple Iの成功でそのようなコンピュータの潜在的な市場が存在することを確信したスティーブ・ジョブズらにより、専門の技術者ではない一般的な愛好家などでも使えるコンピュータとして製造された(アップルはApple IIを、他の当時のマイクロコンピュータと差別化すべく、ホームコンピュータとして宣伝した)
このAppleの意図と共にブランドロゴにもRob Janoff (ロブ・ヤノフ)の意図がありました。
彼は「コンピューターを家庭の家族向けの物に変え、当時あったコンピューターの冷徹でネガティヴなイメージを暖かくポジィティブな物に変えるたい」といった意図でロゴのデザインをしています。これがブランドロゴがカラフルになった理由。
ブランドロゴのカラフルな色使いは親しみ、ポジティブ、多様性など彼とブランドの思いを消費者に伝えることになります。
ブランドロゴの3つの法則
ここまでAppleのブランドロゴを例に出しましたが、ブランドロゴに関する3つの法則を。
参考 強いブランドロゴの効果とは-MIT Sloanによるブランディング効果論考と事例
この3点は全ての成功しているブランドに共通しており、ブランドロゴの基本中の基本。
Appleも最初のロゴから、一度大きく現在のリンゴの原型へと変更した後に大きな成功を収めており、ブランドロゴ制作はブランドにとっては今後を導く非常に重要なワーク。ブランド立ち上げ、ロゴ変更をお考えの皆様の参考までに。
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