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市場(マーケット)創造とは
顧客の新たなニーズを生み出し、価値を提供することで新たな需要を生み出し、市場を作り出すこと。この市場創造を行い、競争のない未開拓市場で売り上げを上げることをブルー・オーシャン戦略とも言われます。以下、本記事では事例や例を挙げていきます。
マーケティングにおける市場創造ポイント
- 顧客の新たなニーズを生み、価値提供することで新たな需要を生み出すこと
- 新製品を出さなくても可能
- 顧客の常識を変化させることによって新たな市場を作り出せる
マーケティングにおける市場創造のジレンマ
市場創造と聞くと、古くはSonyのウォークマン、Appleの ipod,iPhoneといった革新的な製品が世の中にあっという間に広まるのがイメージしやすいかと思いますが、今回はマーケティングにおける市場創造の例を。
事業やマーケティングの相談を聞く中でよく出るのが「新規事業が生み出せない」「新しいニーズが中々の発見できない」と言った内容です。
その背景には企業が何年にも渡り事業やブランドマネジメントをしていると既存ニーズの枠を取り超えられない常識に縛られていること、また既存ビジネスを伸ばしたいが故に、新たな取り組みに踏み切れないこと。
ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授の言うイノベーションのジレンマに似たような状況がマーケティングにおける市場創造にも起こっている事が多いです。クリステン教授はジョブ理論(ドリルではなく顧客が抱えている問題である穴に着目しろ)といった理論でも広く知られ、顧客中心の市場創造に大きな影響を与えています。
参考(イノベーションのジレンマより)
これまでのイノベーションの多くの分類方法が技術の革新度合いを判断基準としていたのに対し、クリステン教授は顧客のニーズに沿っているかでイノベーションを分類しました。この顧客の視点から見た点で当時非常に独創的なものでした。
実はハードルが低いマーケティングにおける市場創造
マーケティングにも関わらず「市場創造とは先ずはこの需要創造、ニーズありき」に集約されます。しかしこの後の実行段階においてマーケティングの場合は技術的な制約がかなり少ないため、この新規事業や市場創造が実はアイディア次第ではかなり容易にできます。
新たな市場想像の機会やニーズを固めたら、後は実行するためにマーケティングプランを実施するだけで、そこには特別な施設投資や研究開発は必要ありません。強いて言うのであれば、強いアイデアと実行するだけのお金くらいです。
常識を変えろ!寒い冬にアイスを売るハーゲンダッツ の事例
世の中には色々な需要創造の例が溢れていますが、一つの例として冬にアイスの需要を創造したハーゲンダッツの例を。
「冬の夜は大切な人と」で終わるハーゲンダッツのCM。2011年から起用されている柴咲コウですが、いわゆる暑い夏に清涼感を打ち出したものや、フレーバーを説明するような典型的なアイスクリームのCMとは全く違いますね。*別verである「大切な人と贅沢な冬をお過ごしください」も、よければ検索して参照ください。
アイスクリームという市場においてどのように市場創造を行なっていったのか、常識を変えるといった視点で見てみます。
アイスクリーム市場の常識
「アイスを食べるのは暑いから」今までの常識は暑い夏の時期に涼みがてらに食べるもの。よくあるCMも暑い夏で汗だくでアイスを食べるシーンなどが印象的かと。
ポイント
- 求める価値 「涼しさ」「リフレッシュ」「味」
- 競合 アイスメーカー
市場創造を行った後の新たな常識
ハーゲンダッツは、今までの常識であった冬に売り上げが落ちる氷菓子市場を、冬の売り上げの差がそこまでない別市場(高級アイス市場)へと開拓していきます。そこでは新たな常識である 「アイスを食べるのはちょっとした贅沢な気分を味わいたいから」と言った感情的な便益を訴求することに成功しました。
市場に生じた変化
- 求める価値 「涼しさ」「リフレッシュ」「味」 → 「自分へのご褒美」「ちょっとした贅沢」「リフレッシュ・幸せ」
- 競合 アイスメーカー → 自宅での贅沢品
ここではハーゲンダッツを例にあげましたが、飲料、食料品などでも多くの市場創造の例が身の回りには溢れています。一見すると共通点がないように見える事例でも、共通しているのは今までの常識を変えるために新しい価値創造・提供している点でしょう。
どうでしょう、本日取り上げたのは少ない例ですが、皆様の新規事業やアイディアを考える際の参考になれば。ブランディングのお話はこちらも参考に
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