顧客志向とは
顧客志向とは、「顧客目線でサービスや商品を発想する事」です。対比の言葉としてプロダクトアウト。製品や技術を起点として商品を作る手法が挙げられます。
近年モノを作れば売れる事も少なくなり、より顧客のニーズに合わせてモノやサービスを作り込む必要性が増して来ました。そこで従来の商品性能ありきのマーケティングや商品サービス企画ではなく、顧客が何を求めているかを元に製品やサービスを作る必要性が主に製造業で日に日に増して来ています。
言葉だけが一人歩きしつつある顧客手法に関して、実際に取り組むに当たっての手法をマーケティング、商品開発における一般例から紹介します。
目次
顧客志向実践の3ステップ
「お客さん目線の商品やサービスを考えなければいけないが、先ずはどうやって取り組んでいいかもよくわからない。」
これから商品企画やサービスを作ったりする際に、とっかかりがイマイチわからない方向けに先ずはどうやって進めて行くかの一例をご紹介。大きく以下の3つのステップで順々に調査(マーケティングリサーチ・市場調査)や決定を顧客を理解していきます。
メモ
- ユーザーを知る(マーケットリサーチ、顧客インタビュー)
- 自社のターゲットとなるユーザーを決める(セグメンテーション、ターゲティング)
- 自社がどの様に受け取られているのか知る(ポジショニング、ブランディング)
Step1 - ユーザー調査
そもそも自社のサービス、商品がどのように受け取られているのかで手っ取り早いのは実際にお客さんを知ることです。
自社サービスを使っている人が何故使ってくれているのか、また使ってくれない方が何故使ってくれないのかを実際にお客さんを観察したり、インタビューすることで現状理解と潜在ニーズを探っていきます。一口にユーザー調査と言ってもやり方は多く存在します。
定量調査
アンケート調査など顧客の回答をある程度の量を集め、統計的な有意差判断などを行う手法です。
最近はインターネット調査などで以前と比べ早く、安く調査ができるようになりました。また市場に出ているデータを元に顧客の行動を読み解くこともできます。
定性調査
お客さんに実際に会いインタビューや観察をするような手法です。
先ほど挙げた定量調査などでは出てこないようなお客さんの実際の反応や潜在ニーズを見つけたり、また定量調査前の仮説出しのキッカケになり得ます。
また、自社の商品やサービスについてどの様に見えているのかを整理するカスタマージャーニーといった手法も必要に応じて組み合わせ、包括的に顧客目線を探っていきます。
参考 カスタマージャーニーとは? 『5つのポイント』と作り方・事例
Step2 - ターゲットユーザーの決定
「顧客と言っても様々な人がいるから、一体どこから手をつけていいかわからない」
そのような状態で顧客にインタビューをするのはかなり危険です。「誰からも好かれようとすると、結局は誰からも好かれない」とあらゆる事を盛り込んだりするのは中途半端なサービスや商品になりがちです。
セグメンテーション ・ターゲティング
顧客を大きく分類し、「自社のすること、しないこと決定」する手助けとなるのがこの手法。
以下の記事ではコーヒーを例に簡単な説明をしていますが、先ほどの定量調査と組み合わせ、各セグメントがどのくらい存在しているのかまでわかると戦略策定や市場規模に対してかなり理解が深まります。
参考 セグメンテーションとは?商品企画で本当に使える作り方と事例
Step-3 自社がどの様に受け取られているのかを知る
そもそも、ブランドイメージってどうやって知ることができるのか?
自社のサービスや商品がどの様に受け取られているか。現在のブランディング状況など言ったりもしますが、この指標に関しても先述した定性定量の両者で知り、測る事ができます。
ブランディング 調査
顧客に自社の商品、サービスがどのように受け取られているかを知る手法です。
ブランディング・ポジショニングと言ったりもしますが以下、ブランディングの手法や工程に関しての詳細は参照ください。
まとめ
これらで顧客の理解が進むとその後に実際のマーケティング戦略へと落とし込んでいきます。実際に顧客が見るテレビや製品はこれらの地道な顧客理解からスタートしています。実際のcmや製品を見て「これはどういった顧客理解に基づいて設計されているんだろう」と逆算して考えるのもトレーニングとなります。
以下は過去のナイキやスタートアップ でのcmをまとめ記事ですが、「誰に向けて」「何を伝えたいのか」を想像する参考に。
参考 ナイキを作った伝説的なブランディング・マーケティング5選
他にも様々な手法などありますが、詳細があればご相談下さい!